テレサです!
ブログをご覧いただきありがとうございます。
小説をちょこっと書いてみよう!と
短編小説に挑戦してみました(笑)
そして、記念にブログに残そうと思います。
よろしければお時間いただけましたら・・・
どうぞお付き合い下さいませ。
タイトル「いにしえからのメッセージ」
ルナスは窓の外を見つめていた。遠くの星々が美しく輝いている。
かつて、あの星から連れ去られた恋人を、ルナスは今も忘れていなかった。
「サキ…」
嘆きの言葉が、ルナスの口から漏れる。
あの日から数えて、すでに300年の月日が流れていた。
ルナスが惑星フロイドで過ごしていた頃、研究室の助手としてサキが配属されてきた時のことを、
今もルナスは鮮明に覚えている。
青い瞳をしたサキのまなざしが、ルナスを見上げる。
「はじめまして。サキと申します。これからお世話になります」
その明るい笑顔に、ルナスは胸をときめかせたものだった。
技術者と助手という立場の違いを超えて、二人は次第に惹かれあっていく。
だがそんな二人の関係を、惑星フロイドの指導者達は決して許さなかった。
ある日、ルナスとサキが密会を楽しんでいると、兵士達に取り押さえられてしまう。
「体の接触などない! ただちに手を離せ!」
サキは兵士に引き摺られ、ルナスの元から遠ざけられていった。
「サキ!」
ルナスは必死で叫ぶが、もはや手の届かない所へサキの身姿は消え失せたのだった。
ルナスはサキを取り戻すべく行動を開始する。
まずはこの惑星から脱出しなければ。ルナスは小型宇宙船を奪取し、
サキの身柄が移されている刑務所を目指して飛び立った。
見張りをかいくぐって無事サキと合流を果たすルナス。
「さあ、早く逃げるんだ」
手を取り合った二人は、宇宙港にある大型移民船を目指すのだった。
しかし、移民船発進直前にて、追っ手に発見されてしまう。銃声が飛び交う。
ルナスとサキは移民船の戸を飛び越え、なんとか機内に滑り込むことに成功した。
「はじけろーっ!」
ルナスがスイッチを入れると、移民船のエンジンが始動。追っ手を振り切り、船外に飛び出す。
だがその直後、後部から激しい振動が起きる。サキを乗せた部屋が爆発を起こし、炎上していく。
「サキーー!!」
もがくルナスを置いて、サキが乗っていた部屋は宇宙空間へと吹き飛んで行った・・・。
「サキーー!!」
ルナスは絶叫するが、もはや手遅れだった。恋人の姿は見えず、移民船の片隅でルナスは
呆然と立ち尽くすのみだった。
その後、ルナスは滅多な事では涙を流さない種族だが、サキの死はルナスに大きなショックを与えた。
以来、ルナスは惑星フロイドを後にし、太陽系を離れて長い放浪の旅を続けることになった。
忘れ得ぬ思い出とともに、ルナスは宇宙を彷徨っていく。
そして運命の再会が訪れた時――。
300年の歳月が流れ、ルナスはある惑星で宇宙船の修理中に一人の女性と出会う。
その容姿は、なんと失われた恋人のサキとそっくりなのだ。
「ありがとうございます。これで輸送が無事できそうです」
感謝の言葉をかけるその女性を見つめながら、ルナスは動揺を隠し切れない。
「サキ…か?」
「はい? 私の名前は早花ですが…」
よく見ると、そこにはサキとの些細な違いがある。
だがルナスにとって、それでもサキそのものとしか見えなかった。
ルナスは早花が前世のサキの転生であることを確信する。
運命の再会に、ルナスは大きな喜びを覚える。だが同時に、
早花には前世の記憶がないことも判明する。
ルナスにとっての特別な存在でありながら、早花にとってルナスはただの宇宙人にすぎないのだ。
それでも諦めることなく、ルナスは早花との信頼関係を築こうと奮闘する。
早花は次第に心を開いていき、二人は助け合う仲間へと変わっていく。
最後に恋心が再び芽生えるのか。ルナスにとっては、300年越えの長きにわたるストーリーの
クライマックスが近づいている。
ルナスは可能な限りの手段を尽くし、早花の記憶回復を図っていった。
惑星フロイド時代の映像記録を見せたり、サキが愛用していた楽器をプレゼントしたり……。
時には焦りから強引な言動もあったものの、ルナスに会えばなぜか胸がときめくという早花。
そんな彼女の変化に、ルナスは前世回帰の兆候を感じ取るのだった。
やがて、二人がともに星雲を眺めていた夜。
しかし記憶回復の妙薬を飲んだ早花の体に異変が起きる。
「うぅ…何だかむずむずする」
「大丈夫か!? 早花!」
早花の目がギラギラと輝き始める。そして不思議な光に包まれながら、昔話を始めるのだった。
「ルナス…思い出したわ。私たちが愛し合っていたあの日々を…」
「サキ! お前の全てを!」
抱きしめるルナス。涙がこぼれ、運命の再会を実感する。
「ずいぶん長らく待たせたでしょ。でも今、サキはルナスとずっと一緒にいられる」
「ああ、もう離さない。二度と離さないと誓う」
遠くの星を背に二人はキスを交わす。
一途な想いが実を結び、時空を超えて愛が結ばれたとき、夜空に流れ星が舞った。
完
おわりに
キャー!小説って妄想(イメージ)が広がって面白いですね。
題材も、推理でも恋愛でも、ファンタジーでも書いてみると
楽しいかも知れません。
今回は、普段しないようなことにチャレンジする機会に恵まれ
とても充実した時間でした。もしかしたら近いうちに電子書籍
デビューをするかも知れません。(未定ですが??)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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